妊娠初期に血の混じった茶色いおりもの、「茶おり」と呼ばれるものが出ることがありますが、
突然おりものが茶色に変化してきたら不安に感じて、「もしかして流産かも…」と、心配になる方もいると思います。
おりものは妊娠中に関わらず、自分のからだの状態を教えてくれる大切な分泌物ですよね。
少し体調が悪かったり、疲れている時はもちろん、生理の周期や妊娠など体調の変化に敏感に反応し、おりもの自体も変化していきます。
そんなおりものは妊娠中も、自分がどんな状態であるのかを知る、一つのバロメーターになります。
そこで、今回は妊娠初期の茶おりが見られる原因や対処法などを看護師の立場から説明していきますね。
★この記事を書いた人:N★
看護師。妊娠のため育休中。
妊娠中の茶おりとはどんなもの?

通常は無色透明や半透明なおりものですが、妊娠初期に茶おりが出る妊婦さんは結構います。
この茶おりはいったいどういったものなのか…ですが、ケガをしてすぐに出る出血は赤い鮮血ですが、それも時間がたてば酸化して黒っぽくなりますよね。
茶色い色は血が酸化したこと、つまり出血が過去のものであることを示しているので現在の出血ではありません。
そのため、茶おりだけで他に気になる症状が他になければ、あまり心配する必要はないようです。
ただ、妊娠初期の茶おりの中には、赤ちゃんの危険サインになるものもあります。
からだの変化と他の症状などと合わせて、茶おりの出た様子をよく確認しておくと良いでしょう。
妊娠中に茶おりが出る原因は?
①着床出血による影響
妊娠初期に見られる茶おりの中で、生理予定日の1週間前くらいに出るものは、着床出血の可能性があります。
これは着床時に子宮内膜が傷ついて出血することをさすのですが、すべての妊婦さんに発生するわけではなく約30%の妊婦さんが経験すると言われています。
色は茶色っぽいものからピンク、真っ赤な鮮血の場合もあり、量も通常の生理くらいからおりもの程度までと、かなりの個人差があるようです。
中には、茶おりと共にチクッとした軽い腹痛を感じる人もいます。そのため、生理と勘違いしてしまう方もいます。
そして、この時期に妊娠検査薬を使っても反応が出ないことも多く、まだ妊娠に気が付いていない人も多い時期です。
着床出血自体は起こっても特に問題はありませんが、茶おりが出たあとしばらくしても生理がこない場合は妊娠の可能性があるので、その時には一度、検査薬で調べてみることをおすすめします。
★妊娠超初期に感じやすい症状についてはこちら★
②妊婦健診の時等による刺激
妊娠すると膣や子宮内は今まで以上に傷つきやすい状態になります。少しの刺激でも出血を起こしやすい状態になっていて、内診や器具などで傷がついて出血し茶おりになることがあります。
内診のあとに、生理のような大量の茶おりが出て驚いたという話も耳にします。健診で傷がついただけならすぐに止まりますので、様子をみておきましょう。
③胎盤と子宮の成長によるもの
妊娠をすると、子宮内では赤ちゃんや胎盤が日々成長していきますよね。
その胎盤の成長過程である、胎盤が完成する前の妊娠初期に毛細血管が切れたり、胎盤が少しずれたりすることで少量の茶おり・出血が起こり、茶おりが出ることがあるんですね。
そして、経産婦さんの方が、妊娠初期にこのような茶おりが出ることが多いようです。
ただ、この場合も赤ちゃんや胎盤ががきちんと成長しているためであり、そのほかの体調の変化がなく、さらに気になるほどの茶おり・出血でなければ心配はいらないでしょう。
④流産・切迫流産によるもの
妊娠初期に茶おりが長く続き、安静にしていても茶おりが続く、初めは茶おりだったものが鮮血に変わる、出血とともに腹痛を伴うなどの場合は、切迫流産の可能性もあります。
このような場合には、要注意で、無理は禁物です。まずは安静にしてくださいね。
ただ、茶おりと腹痛が続いたからといって必ず流産になるわけではなく、切迫流産で妊娠継続ができたということももちろんあります。
しかし、自己判断でそのままにしておくことはとても危険なので、すぐに産婦人科へ連絡してどうしたらよいのか、状況を説明して指示を仰ぐようにしましょう。
⑤子宮外妊娠の茶おり
下腹部痛をともなう茶おりの場合、子宮外妊娠の可能性もあります。子宮外妊娠は、自分では症状に気が付きにくいものです。
発見が遅れると卵管破裂の恐れもあり、突然の強烈な腹痛に救急車で運ばれる事態も珍しくありません。
妊娠初期の妊婦健診で、子宮外妊娠をしていないか診てもらえ早期発見がとても大切になります。茶おりが続き下腹部痛も続く場合は、早めに受診しましょう。
その他に、絨毛膜下血腫、膣びらん、子宮頸管ポリープなどの原因で茶おりが見られることがあります。
茶おりって危険?続くときはどうしたらいいの?
茶おりものは基本的に過去の出血であるので、基本的には過度に心配する必要はないんですね。
しかし前述したとおり、場合によっては母子ともに危険な事態になる可能性もあります。
そのため、茶おりが出た時の対処法を、いくつかご紹介しておきますね。
①安静にする
妊娠経過に問題がなければ、家事をするなど適度にからだを動かすことは大丈夫ですが、そうはいっても無理しすぎは禁物です。
自分の状態に気づかず、無理してしまう方も多いので、妊娠中は要注意です。
特に妊娠初期は、胎盤の形成中であるため、大事をとって基本的には安静にするようにと産婦人科で指示される方もいます。
大切なからだに負担をかけないためにも、まずは安静にすることが何より大切なんですね。
②産婦人科に連絡・受診
安静にしていても茶おりが増えてくる時、茶おりが鮮血に変わった時、腹痛やお腹の張りなどがある時は、なんらかのトラブルが起きている可能性もあります。
そんな時は、自己判断せず慌てず病院に連絡をしてくださいね。
産婦人科に連絡する際には、茶おり・出血の量や色、期間などをしっかりとメモをとって伝えると、より的確な指示を仰ぐことができますよ。
③弱酸性の石鹸で洗いましょう。
細菌の繁殖や感染を予防するために、入浴時に刺激が少ない弱酸性の石鹸を使用してしっかりと洗い流すことが大切です。
洗い流す際は、爪でかいたり擦ったりしないよう注意しましょう。
体調不良などで入浴やシャワーが難しい場合でも、デリケートゾーンだけは毎日清潔に洗うようにしましょう。
④下着はこまめに変えるようにしましょう。
妊娠初期はおりものの量が増え、かぶれてしまうことや雑菌が増えやすい状態にあります。
そのため、下着はこまめに取り換えるようにして、清潔に保つことを心がけるようにしましょう。
おりものシートを使用することをおすすめしますが、通気性の悪いシートを何時間もつけっぱなしにしていると、逆に雑菌が増えやすい環境になってしまうおそれがあります。
こまめにシートを貼りかえるか、綿100%の布製のシートもおすすめですよ。
⑤おりものの日頃の状態をチェックしましょう。
まずは、トイレに行ったらトイレットペーパーについたおりものを確認することを習慣化しましょう。
そうすることで、おりものの微妙な変化にも、いち早く気づくことができますよ。
初期の茶オリについてのまとめ

妊娠初期はからだが大きく変化する時期ですが、胎動を感じることも少なく、赤ちゃんがお腹にいることを実感しづらい時期。
茶おりに限らず、何か異常を感じたときには早めに対処することが大切です。
なにより、不安を抱えて過ごしていると、ストレスだけが溜まりからだによくありません。
気になることがあれば早めに医師や助産師に相談するように心がけ、健康的なマタニティライフを送ってくださいね。
妊娠初期にもう一つ気を付けたいこと
妊娠初期にもう一つ気を付けたいことは、「葉酸」についてです。
妊婦さんが葉酸をサプリから摂取することはもはや常識になりつつありますが、「葉酸サプリの正しい選び方」についてはまだまだ知られていません。
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